茅の輪飾りはいつまで玄関に飾っていいの？【方角や処分方法も紹介します】

茅の輪飾りを玄関に飾った場合に、「いつまで飾っていいの？」と迷ってしまうかもしれません。

神社でいただく茅の輪飾りは、厄除けや無病息災を願う日本の伝統的なお守りです。

正しい時期や方角、そして片付け方を知ることで、より丁寧に神様への感謝を表すことができます。

この記事では、夏越の大祓と年越しの大祓の違や飾る飾る意味などを解説していきます。茅の輪飾りを正しく扱うことは、家庭を清め、福を呼び込む第一歩です。

神社の教えや地域の風習を尊重しながら、あなたの家に合った飾り方を見つけてみましょう。

茅の輪飾りとは？意味と由来をやさしく解説

茅の輪飾りは、日本の神道行事で古くから伝わる厄除けの象徴です。

ここでは、その由来や神話との関係、そして「茅の輪守り」とお守りとの違いについてもわかりやすく紹介します。

起源と神話との関係

茅の輪飾りの起源は、古事記に登場するスサノオノミコトの神話に由来しています。

スサノオノミコトが旅の途中で宿を求めた際、貧しい兄・蘇民将来（そみんしょうらい）さんがもてなしたことを喜び、「後の世で疫病が流行ったら、茅の輪を腰に付けなさい」と告げました。

この故事がもとになり、現在でも茅の輪を飾ることで災厄を祓い、健康を願う風習が続いています。

つまり、茅の輪飾りは「神話から生まれたお守り」ともいえるのです。

茅の輪守りとお守りの違い

茅の輪守りと一般的なお守りは、同じ「守り」と言われながらも目的が異なり、茅の輪守りは家全体を守るもの、お守りは個人を守るものとして役割が分かれています。

飾る場所としては神棚がよいとされていますが、神棚が無い場合に適しているのが玄関になります。

茅の輪守りは玄関など出入口に飾ることで、家族全体の無病息災を祈願する形をとります。

種類	目的	設置場所
茅の輪守り	家族全体の健康・厄除け	玄関・出入口
一般のお守り	個人の安全・願い事	持ち歩き

家を清めるための「茅の輪守り」と、人を守る「お守り」を区別して扱うことが、日本の神道文化を正しく受け継ぐ第一歩です。

茅の輪飾りを玄関に飾る理由と効果

茅の輪飾りは、ただの縁起物ではありません。

玄関に飾ることで「災いを防ぎ、良い気を呼び込む」といった意味を持つ、神聖な守りの一つです。

ここでは、玄関に飾る理由と位置・方角の考え方を詳しく見ていきましょう。

玄関に飾る意味と家を守る力

玄関は、家の中と外をつなぐ「気の通り道」といわれます。

その入り口に茅の輪飾りを設けることで、外から入ってくる穢れを祓い、家の中に清らかな空気を保つとされています。

特に夏越の大祓（6月）や年越しの大祓（12月）に合わせて飾ることで、半年ごとの厄をリセットする意味が込められています。

内側・外側どちらに飾る？正しい位置の考え方

伝統的には、外からの穢れを防ぐ目的から玄関の外側に飾るのが一般的です。

これは、神社の茅の輪が鳥居の外に設置されるのと同じ考え方です。

ただし、マンションや風雨が強い地域では、玄関の内側に飾っても問題ありません。

最も大切なのは「神様への敬意を込めて清らかに飾ること」です。

方角は南向き・東向きが良いとされる理由

古来より、太陽が昇る方角である「東」と、日が最も高く昇る「南」は、縁起の良い方向とされてきました。

そのため、茅の輪飾りを飾る際も、可能であれば南向きまたは東向きに配置するのが理想です。

とはいえ、現代の住宅構造では必ずしもその方角に玄関があるわけではありません。

その場合は、家族が毎日通る場所、または最も目につく位置を選ぶことが大切です。

方角	意味・効果
南向き	繁栄・発展を呼び込む
東向き	活力・健康運を高める
その他の方角	方角よりも「清浄な場所」であることが大切

飾る位置や方角はあくまで「目安」です。

心を込めて飾ることが、最も大切な祈りの形といえるでしょう。

茅の輪飾りは玄関にいつまで飾る？季節ごとの目安

茅の輪飾りは、季節の節目に合わせて飾ることで意味を持つお守りです。

ここでは、「いつまで飾るのか」「季節によって違いはあるのか」といった疑問をわかりやすく整理して解説します。

夏越の大祓と年越しの大祓の違い

茅の輪飾りは、神道の大祓（おおはらえ）行事と深く関係しています。

大祓は年に2回行われ、半年ごとに心身の穢れを祓う神事です。

「夏越の大祓」は6月30日に行われ、半年分の厄を清めます。

一方で「年越しの大祓」は12月31日に行われ、新しい年を清らかに迎える準備を意味します。

この2つの節目が、茅の輪飾りを飾るタイミングの目安になります。

季節の区切りに茅の輪を飾ることで、生活にもリセットの意味が生まれるのです。

飾り始めと片付けの正しいタイミング

茅の輪飾りを飾る時期に決まりがあるわけではないのですが、多くの神社や家庭では次のような目安が一般的です。

行事	飾り始め	片付けの目安
夏越の大祓	6月中旬頃	7月上旬（七夕頃）
年越しの大祓	12月中旬頃	1月上旬（松の内頃）

ただし、地域や神社の方針によって違ってくる場合もあります。

特に授与された神社から期間の説明がある場合は、その方針に従うことが最も正しい対応です。

長く飾りすぎると「役目を終えたお守り」を留めておくことになるため、時期を意識して管理することが大切です。

地域や神社による期間の違いと注意点

寒川神社（神奈川県）や小網神社（東京都）など、各地の神社によって大祓の行事は少しずつ異なります。

茅の輪の形状や授与の時期が違う場合もあり、その地域独自の文化が息づいています。

したがって、「他の地域ではこうだったから」といった一般論に頼らず、地元の神社の習わしを尊重するのが理想です。

自分の地域の神社の風習に合わせることが、最も丁寧な信仰の形といえるでしょう。

地域の伝統に寄り添いながら飾ることで、茅の輪飾りの本来の意味がより深まります。

茅の輪飾りの正しい飾り方と手順

茅の輪飾りを飾るときに迷うのが「どう飾ればいいのか」という点です。

ここでは、初めての人でも迷わないように、具体的な手順と注意点を紹介します。

飾る前の準備と注意点

茅の輪飾りは、清らかな心で準備することが何より大切です。

以下の手順で、飾る前の準備を整えましょう。

特に清掃＝祓いの第一歩とされるため、玄関を整えることは祈りの一部でもあります。

飾るときに意識したい3つのポイント（清潔・方角・心構え）

実際に飾るときには、次の3点を意識することでより丁寧な祈りになります。

ポイント	内容
清潔	ほこりや汚れがない状態で飾る。穢れを寄せつけない。
方角	可能なら南または東向きに。難しい場合は清浄な場所を選ぶ。
心構え	神様への感謝と敬意を忘れずに飾る。

形式よりも「心」が何より大切です。

茅の輪を吊るす高さは、目線より少し上が一般的で、家族全員が通る際に自然に目に入る位置を選びましょう。

ミニタイプや紙製タイプの活用法

最近では、玄関のサイズやインテリアに合わせてミニタイプや紙で作られた茅の輪飾りを選ぶ人も増えています。

これらは軽量で扱いやすく、賃貸住宅でも気軽に飾れる点が魅力です。

飾る際は、両面テープや小さなフックを使って固定すると安心です。

素材や大きさが違っても、神社で授与されたものであれば意味は同じです。

大切なのは形ではなく、祈りの気持ちであることを忘れないようにしましょう。

茅の輪飾りの処分と保管方法

茅の輪飾りを飾り終えたあと、「このまま置いておいていいのかな？」と迷う方も多いですよね。

茅の輪は神社から授与された神聖なものなので、処分や保管の仕方にも心を込めることが大切です。

この章では、正しい処分方法やタイミング、自宅での対応法を紹介します。

神社に納めるときの流れとマナー

最も丁寧な方法は、授与を受けた神社に返納することです。

神社では年末年始や節分の時期には「お焚き上げ所」や「古札納所」が設けられています。

その際、他のお守りや破魔矢などと一緒に納めても問題ありません。

時期	方法	注意点
年末〜年始	古札納所に納める	感謝の気持ちを込める
節分	お焚き上げで祈念してもらう	燃やさず持参が基本

神社に持参する際には、紙袋などに入れ「これまでお守りいただきありがとうございました」と一言添えるとより丁寧です。

神様に感謝して納める姿勢が、何よりの礼儀とされています。

自宅で行う場合の丁寧な処分方法

近くに神社がない場合や、持参が難しいときは自宅で感謝を込めて処分することも可能です。

以下の手順で行うと、より気持ちよくお別れできます。

このとき大切なのは「感謝の気持ちで処分する」ことです。

形式的な儀式よりも、心を込めて送り出すことが大切だと伝えられています。

次の年への引き継ぎと保管の考え方

茅の輪飾りは1年ごとに新調するのが基本です。

「まだ綺麗だから取っておこう」と思う方もいますが、祈願の力は授与された年限りとされています。

ただし、どうしても保管したい場合は以下の点に注意しましょう。

「感謝して手放し、清らかな心で新しい年を迎える」ことが、神道の大切な考え方です。

茅の輪飾りを通して感じる日本の祈り文化

茅の輪飾りは、装飾という意味合いだけではなく、古くから続く日本人の「祈りの文化」を象徴する存在です。

この章では、茅の輪を通して見えてくる日本人の心のあり方と、日常に伝統を取り入れる意義を考えます。

暮らしに伝統行事を取り入れる意味

現代の生活は便利になった一方で、季節や節目を意識する機会が減っています。

そんな中で、茅の輪飾りを飾ることは「季節の区切りを大切にする」という日本的なリズムを取り戻す行為でもあります。

また、家族で一緒に飾ることで、世代を超えた伝統の継承にもつながります。

茅の輪飾りは、神聖でありながら日常に寄り添う優しい文化なのです。

家庭で続ける「小さな祈り」の形

神社に行く時間がなくても、玄関に小さな茅の輪を飾ることで、日々を丁寧に過ごす意識が生まれます。

それは「祈りを形にする」行為であり、忙しい毎日の中で心を整えるひとときでもあります。

大切なのは、特別な儀式ではなく日々の気持ちです。

茅の輪飾りを通して、日本人が大切にしてきた「清め」と「感謝」の心を感じ取ることができるでしょう。

それが、伝統を未来へつなぐもっとも自然な形なのです。

テーマ	意味
清め	心と暮らしを整え、日常をリセットする
感謝	一年間の平穏に感謝し、次の節目を迎える準備をする

茅の輪飾りは、暮らしに祈りのリズムを取り戻す小さな儀式として、今も多くの人に受け継がれています。

まとめ：茅の輪飾りを正しく飾って福を呼び込もう

ここまで、茅の輪飾りの意味や飾る時期、処分の方法までを見てきました。

最後に、この記事のポイントを整理しながら、日常に活かせる実践のヒントをまとめます。

茅の輪飾りは、単なる季節の飾りではなく、家庭を守る小さな祈りの形です。

飾るたびに「感謝」と「清め」の気持ちを思い出すことで、家全体の空気が自然と整っていきます。

正しい飾り方を知ることは、神様を敬い、自分たちの暮らしを見つめ直すきっかけにもなります。

年に一度、玄関を清め、茅の輪を飾る時間を持つことで、生活の中に祈りのリズムが生まれます。

その積み重ねが、家族の安心や穏やかな日々につながっていくでしょう。

どうぞ、次の節目には新しい茅の輪を迎えて、清らかな気持ちで新しい季節をスタートしてください。

茅の輪飾りを通して、福を呼び込み、心豊かな一年を過ごしましょう。